【中板橋】ツイッター店長ビカスさんが作る人気の本格インドカレー

近年流行しているスパイスカレー。食べてみたいけれど辛いものやスパイスが強すぎるものは苦手という人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめしたい、心優しい店長さんが作る、日本人向けの本格スパイスカレーのお店を紹介します。

お店の名前は「だいすき日本」

中板橋の南口を出て3分ほど歩くと、白い外壁と赤いドアが印象的なお店があります。ヒンディー語のようなフォントで書かれた店名は「だいすき日本」。思わず気になってしまう、変わった店名のお店ですよね。パッと見は何のお店か分かりづらいですが、実はネパールカレーのお店なんです。

店名の由来は、ネパール人の店長・ビカスさんが日本のことが大好きだから。来日して20年以上のビカスさんに日本の好きなところを聞いてみると、

「わからない。でも、日本の空港についた瞬間、日本だなあって思う。空気かな、匂いかな、雰囲気かな。うまく言えないけれど。それがすごく落ち着いて、好きなんだよね」

本当に日本のことが大好きなのだというビカスさんの気持ちが伝わってくる言葉ですね。

スパイスカレー初心者にも食べやすい優しいネパールカレー

店長のビカスさんは長年、都内のカレー屋さんやホテルでシェフをしていたそうです。そこで日本人の口に合うカレーを研究し、今のカレーに辿りつきました。

わたしは今でこそ、都内のインドカレー店を20店舗以上開拓し自宅でもインドカレーを作り、本場の味を確かめるためにインドに訪れたほどのインドカレー好きですが、以前は辛いものも苦手でスパイスの種類も何ひとつ知りませんでした。

すべてのきっかけは10年ほど前にだいすき日本のカレーを食べたこと。常連さんが多いことや、口コミを見ても、初心者にも食べやすくマイルドでおいしいここのカレーはわたしのようなカレー好きを数多く輩出してきたのでしょう。

だいすき日本おススメのディナーメニュー

学生時代から何度も足を運んでいるわたしのおすすめメニュー、１つ目はネパールの蒸し餃子・モモです(写真右奥)。モモはもちもちジューシーで旨みたっぷり。食べると小籠包のように肉汁がじわっと溢れ出ます。そのままでも、ソースをつけても美味しい逸品です。

２つ目は、ゴルゴンゾーラチーズナン。ピザのように丸くて大きなナンの中には、ゴルゴンゾーラチーズがたっぷりと入っています。熱々のうちに食べると、とろりと溶けるゴルゴンゾーラとカレーの相性が最高です。普通のチーズナンもおいしいですが、どのカレー屋さんでも食べられるメニューです。だいすき日本では、ぜひゴルゴンゾーラチーズナンを味わってみてください。

３つ目は、サラダです。サラダはどこで食べても一緒と思われがちですが、ここのサラダだけは違います。野菜ひとつひとつが新鮮で本当においしい。

ドレッシングが特別なわけでも、特別に高い野菜を使っているわけでもありません。ただビカスさんは長年飲食店に勤めた経験から、化学調味料を使わないこと、必要以上の作り置きをしないこと、清潔なキッチンを保つことをポリシーにしています。そういった日頃の心がけが、誤魔化しのきかない、サラダに現れているのではないでしょうか。

お得なランチとテイクアウトお弁当もおススメ

お得な価格で楽しめるランチメニューもおすすめです。カレーはチキン・キーマ・ダール(豆)・日替わりの４種類。わたしが訪れた日の日替わりはほうれん草とチキンのカレーでした。他にもマトンカレーや大根カレーなど、色々な味が楽しめるので何度訪れても飽きることがありません。

また、ここのナンは少し一見小さめですが分厚くボリューミー。ほんのり甘いのでカレーとよく合います。

ダブルカレーチーズナン(1050円)。カレーは右からキーマとチキン。

ダブルカレーナン(800円)。カレーは右から日替わり(ほうれん草とチキン)とダール。

ランチメニュー

テイクアウトのお弁当は常時４種類と、都度ツイッターで告知している限定メニューがあります。お弁当もとても人気で、一度に50個の注文を受けたこともあるそう。一時期はステーキ屋さんを開いていただけに、ステーキやハンバーグもおいしいですよ。

お客さんと地元から愛されるお店

テーブルにつくと、お客さんからの手書きメッセージが目につきます。実はこのお店、2011年ごろにお店に人が入らないことを嘆いたビカスさんの悲しすぎるツイートが話題になり、全国からお客さんが集まることとなりました。遠方からのお客さんなど、たくさん方からのメッセージが寄せられています。

また、このお店は地元からも愛されているお店です。2011年のオープン後、だいすき日本は諸事情で一度閉店しています。しかし閉店後も商店街の仲間が「またお店を開いた時のために」と看板を預かっていてくれたり「また中板橋でお店を開いてね」と常連のお客さんが何度も声をかけてくれたりしたそうです。ビカスさんはその想いに応え、2018年、だいすき日本を中板橋に再オープンしました。

何度も足を運んでしまう理由は、味だけではない

SNSの単なるブームで終わらず、このお店が続いている理由は店長さんの人柄にあります。ビカスさんのツイッターを見てみると、暖かくてかわいらしい人柄が伝わってきます。

また、わたしは学生時代だいすき日本の常連でしたが、一人で訪れるとよく話かけてもらっていました。就職活動の相談をしたこともあります。引っ越してからは行く機会が減りましたが、今回の取材で約２年振りに訪れた時も、すぐに気付いて話しかけてくれました。

何年も前にチラッと話した出身地のことまで覚えてくれているくらい、ビカスさんは人付き合いを大切にする人です。いつ訪れても昨日会ったような距離感で会話してくれるので、わたしにとっては帰る場所のような存在のお店。そんな優しいビカスさんのお店だからこそ、たくさんの人に愛されているのだと思います。

池袋駅から東武東上線で8分とアクセスも良いのが嬉しいところ。皆さんもぜひ、おいしいカレーと優しい店長さんに会いに行ってみてはいかがでしょうか。

店舗情報・アクセス