【おつゆ】って日本人にとってはなくてはならないものですよね。
関東圏の私からすると、おつゆと言えば、麺のつゆ、煮物のつゆ、そしておでんのつゆ。美味しい食べ物の味を決める大事存在です。
特に関東圏では色の濃い茶色のおつゆがメジャーだと思いますが、今回紹介する丸忠(まるちゅう)のおつゆは透き通った綺麗なおつゆ。透明なおつゆの中沈んでいると、おでんの具がなんだか美しく見えるのです。
そんなおつゆまで飲み干したくなるおでん屋さん。立石自慢のおでんを食べて美味しい幸せに浸りましょう。
まずは立石仲見世に足を踏み入れる
懐かしいアーケード商店街にお店が立ち並ぶ立石仲見世。
京成立石駅の改札を出てすぐの南口側にあり、有名店では開店時に行列がついているところもあります。
お惣菜屋や飲み屋などの店舗が並び、どこも名店ぞろいな仲見世の中におでん丸忠があります。
テレビにも取り上げられることもある呑んべ横丁と並ぶ立石の名スポットですよ。
どこか懐かしい昭和の雰囲気が今も残る街、立石。その中でも特に歴史を感じさせるスポットが呑んべ横丁。立石で生まれ育った地元民の私は、子供の頃からずっとそこにあるのであって当然のものと思っていたんです。ですが、開発の波で半分[…]
昔ながらのおでん屋さん丸忠(まるちゅう)へ
仲見世に入ると黄色いビニールに囲まれたお店があります。ここがおでん丸忠です。
出入口のビニールをめくって中に入ると、2つ平行に並んだメインのカウンターとテーブル席があります。
コンパクトな店内に常連さんが店員さんと話しているアットホームさがありました。
「○○さんは今日は××に入ったけど、混んでたからあっち行ったよ。」と、店員さんとお話をされていました。
注文する時に店員さんと他のお客さんとのお話が盛り上がっているときは、話の切れ目を狙ってパパっと頼みましょう。笑
常連さんとお店の雰囲気がとても自然で、ここいいなぁとついつい聞き耳を立ててしまいました。
長居したいと思える居心地の良さがあり、食べて飲んでお金を払うだけじゃない人と人との交流が残っているとわかる場所です。
壁には大きくメニューがあり、黒いボードに白い字で見やすいです。値段や商品名のところに黒い紙が貼られ訂正されているのもまた、雰囲気があります。
チラシが貼ってあったり絵が飾られていたり、タイルには何やらマジックでコメントが書かれていました。
『酒は人』等、なるほどと唸るコメントもあり、人に愛されているお店なんだということが改めてわかります。
雑然としたなかにもおしゃれな雰囲気が漂う店内です。
いざ!絶品のおでんを食べましょう!
さてお店で席につき、飲み物を注文するとまずはお通しと飲み物がでてきます。
お通しを食べてお酒で喉を潤しながら、メニューを見れば見るほど、やっぱり種類の多さに悩んでしまいます。
ひとつ60円からととっても値段設定が親切なおでんは、大根や練り物がおすすめとのこと。
おでんを頼むと隣のおでん種店から煮込まれたおでんを大皿に入れて持ってきてくれます。 どん!と置かれる大きな器に心がときめきます。
おでんはリーズナブルで種類が豊富
丸忠は練り物の種類と美味しさも去ることながら、おつゆが最高なんです。一言で言うなら「あーうまっ」。
腹の底から「うまい」という声が出てきます。
おつゆは、メニューにも出汁という文字があるのでお出汁と言ったほうがいいのかもしれませんが、この透き通ったおつゆ、つまり出汁のうまさは食べてみないとわかりません。
程好い塩気と甘味でどんぶりに口をつけて最後まで飲み干したくなるうまさなのです。
練り物は種類が豊富で野菜、ゴボウ、チーズ、餃子、あさりなど色々な具が入ったものがあり、こんにゃく、しらたき、スジ、大根やちくわぶも!
いくつか食べてみました。
こちらは、つみれ、もちきん、チーズ巻と餃子巻。見ためで区別がつかないのですが、どちらがどちらと教えてくれます。
餃子巻には餃子のあんが入っていてしっかり食べごたえがあり、チーズ巻はチーズがとろっととけて美味しいしかありません。つみれもしっかり魚の旨みがありつつおつゆの味が染み込んでいます。
生姜天には紅生姜が入っています。紅生姜の味はもちろん、食感が残っていて美味しいです。
練り物系はおつゆの程好いしょっぱさと甘さがマッチして、周りがふんわりした中にも引き締まった練り物の歯ごたえがあり最高のお味です。
こちらは豆腐のおでん。別皿で提供されネギととろろ昆布が乗っています。木綿の豆腐におでんのおつゆが染み込んで口の中が幸福感に包まれます。
他にも牛スジ煮込みやトマトおでん、おじん(雑炊)などがあるのですが、牛スジ煮込みはおでんのおつゆで煮込んであり、おじんもおでんのおつゆで作ったおじやだそうです。
また、トマトおでんは隣にあるおでん種屋では取り扱ってないのでお持ち帰りが出来ません。食べられるのはここだけです。皮を剥かれたトマトが一個丸ごとでてきて、一口食べればトマトの酸味や甘味とおでんのおつゆが口の中に広がります。
トマトはとてつもなくおでんに合うということを学びました。
季節に寄ってはカキのおでんもあるそうで、もはや一回行っただけではコンプリート出来そうにありません!
お酒も日本酒やビールなどどれもおでんに合う!
丸忠のメニューボードは半分がお酒なんです。カクテルもあり、ビールもちゃんと生がある。
ウィスキーもしっかり種類が押さえられていて、ハイボールだけじゃないところが嬉しい。
日本酒に至ってはどぶまで用意されています。カクテルや酎ハイはしっかり味が濃く、お酒へのこだわりも伺えるメニューとなっています。
あたたかいおでんを食べて酒を飲む。
おでんと酒を交互に口に運ぶ喜びを味わえる店。
お酒も本格的に飲めるなんて呑兵衛には最高としか言い様がない……。
隣のおでん種屋『二毛作』が始まり
せっかくなので、おでん丸忠の成り立ちについてお話しましょう。
もともと30年以上続く、おでん種屋丸忠蒲鉾店があり、そのお隣に二毛作というお店ができました。
二毛作は現在は他で営業していますが、この場所はおでん丸忠となり今に続いています。
丸忠はおでん種屋に併設されたお店です。
飲食した日とは別日におでんのお持ち帰りもしてみました。お持ち帰りのおでん種は練り物が沢山あってどれを買うか迷います。
丸忠で食べたあとのお土産にも最適です。販売されているおでん種はすぐ食べられるように煮込まれたものもあります。これを隣の店で食べることができるということなんです。
家に持ち帰ればお店の味がすぐ食べられ、染み染みでおいしそう!
私が買いに行った時はちょうど14時くらいでした。あれ、店でおでん種を見て待っていても誰もいない。
しばらく待っていたら、仲見世の入口から「ごめん、ごめーん!」と店員さんが小走りでやってきました。
ちょっとお買い物に行ってらしたらしいのですが、お店をオープンしたまま「ちょっとそこまで」をしてしまうところがさすが立石という感じです。笑
まわりを信頼しているから出来ることだと思います。
さて、煮込まれたほうのおでんを買うとこの様におつゆ込みで袋に入れてくれます。ビニール袋にお玉で沢山おつゆ入れてくれるのです。
「辛子いる?」と聞いてくださったので欲しいと言うとおまけでつけてくれました。
また、はんぺんが柔らか過ぎて袋に移すときかけてしまったらしく、「ビニール袋代おまけするわ」と言ってくださったりおおらかで優しい雰囲気。
おでんを5つ購入したのですが、小鍋に移しかえたらおつゆが溢れそうなくらい沢山入っていました。
ちなみに中央の四角は高野豆腐です。
染み染みで噛むとじわっとおでんのつゆが口に広がり美味しいのです。白米もお酒も進むこと間違いなし。
ちくわぶを選んだらよく煮えているのと少し硬いのどちらがいいか聞いてくれて、そんな店員さんの心遣いが嬉しいお買い物となりました。おでんの柔かさ、煮込まれ具合には好みがありますからね!
ありがたいです。
心も身体もあったまる立石の丸忠へ
おでんを心行くまで食べるもよし、おでんをあてにお酒をひっかけるもよし、ふらりと入り社交力を発揮しておしゃべりを楽しむもよし。
冬はおでんであったまり、夏はおでんつゆの塩気と冷えたお酒で生き返る。
お持ち帰りもオススメです。
おでんの名店丸忠へ、1度行けば何度でも足が向かってしまいそうです。
店舗情報・アクセス
住所 | 東京都葛飾区立石1-19-2 |
電話番号 | 03-3696-6788 |
最寄駅 | 京成立石 |
営業時間 | 14:00~22:00(LO21:00)、日・祝13:00~21:00(LO20:00) |
定休日 | 木曜・第3水曜 |