京急蒲田駅から徒歩2分の場所に位置する江戸時代から続く蒲田では有名な老舗和菓子屋さん。
一見商店街の一角にありそうな趣ある佇まいですが、箱根マラソンのルートでおなじみの蒲田で一番広い道路「第一京浜」沿いにあるんです。
そんな東京と神奈川を結ぶ大動脈のに面した場所で江戸時代から170年以上、美味しい和菓子を売り続けています。
朝一から賑わう人気店
朝は9時30分からオープン。
一度だけオープンしたての時間に行ったことがあるんですが、朝一から人がひっきりなしに来店していて、改めて人気店ということを実感しました。
一応20時までの営業ですが、売り切れ次第で閉店なのでお目当のものがあったら早めに行くことをおすすめします。
人気商品は夕方にはほぼ売り切れなんてこともしょっちゅう。
私も何度店頭で涙を飲んだことか。
美味しそうな和菓子が並ぶ店内
3人も入ればいっぱいな店内には所狭しと綺麗な和菓子が並んでいます。
そして後ろに厨房があるため、店頭で悩んでいるとどんどん新しい和菓子が登場しては目の前で売られていきます。
お盆いっぱいに詰められた商品が流れるようになくなっていく様子は圧巻の一言。
昔ながらの和菓子屋さんらしくお赤飯やいなり寿司、のり巻きなどの軽食も売っています。
いなり寿司やのり巻きは一口サイズなので一気に何個も買っていく人たちばかり。お昼に志ら井のご飯が待っていると思うとお仕事も頑張れますよね。
いなり寿司は見てわかるぐらいしっとりとジューシーな油揚げに包まれていてとっても美味しそう。
次きた時はお昼用に買おう!と心に決めています。
「本物の大福」と「うまいだんご」
志ら井さんの真骨頂が「大福」と「おだんご」。店頭にも大々的にアピールしているこの2品は昔からの作り方のまま。
コシヒカリをお店でひいて米粉にしたものを朝から蒸して練り上げるという手間のかかる工程で作った出来立てを店頭に並べてくれるんです。
買ってすぐに食べると歯応えがしっかりとして、本当にもっちもちなお米本来の味を堪能できますよ!
米粉まで自家製という和菓子はなかなかないそう。
時間と手間がかかりすぎるので省略することも多いそうなのですが、志ら井ではきっちり一から作っています。
それほどまでに丹精こめて作り上げた自慢の大福と団子。食べないともったいないと言わざるを得ない絶品なんです。
大福は手のひらサイズなのにずっしりとした重量。小さい中にもあんこがこれでもかと詰まっています。
作り立てのうちに、と帰って早々にいただきました。
普通って大福を食べると、あんこがたくさん!とかつぶあんだ!とか中身にフォーカスすることが多いと思うんです。
でも志ら井の大福はまずおもちの美味しさに驚くはず。
細部にもこだわり抜いている職人のプライドを感じることができますよ。
おだんごはみたらしと草団子の2種類。みたらしは焦げ目が香ばしくて、お醤油のいいにおい。
草団子はよもぎのさわやかな香りが口いっぱいに広がります。
両方とも味付けは最小限。お餅の味を最大限に味わえるような絶妙なバランス。甘さが控えめなので何本でも食べれちゃうこと間違いなしです。
そして驚くべきはお値段。
大福は1つ140円。お団子は1本90円。もうちょっと払いますよ?と言いたくなるような価格なんです。
このお値段で職人が時間をかけてつくる和菓子を頂けるなんてとっても幸せ。
そして2つを買ったら必ず言ってくれる一言
「今日中に絶対食べてください。すぐ固くなっちゃうから」。
保存料も添加物も使っていない和菓子は、次の日にはびっくりするぐらいにカチカチに!
本当に材料にこだわって他のものは何もいらない!という潔さを感じられます。
季節を感じる職人の味
おすすめを聞いたところ、「和菓子には季節が大事だからね。その時一番おいしいものを食べてほしいの」と太鼓判をおしてくれたのが栗を使った期間限定もの。
今回は「栗むしようかん」「栗きんとん」「栗里」と三種類。
私は栗きんとんと栗里を買ってみました。
栗きんとんは栗の味が濃くてゴロゴロたっくさん入っていて、栗里は求肥で粒あんとお茶のあんこを包んだ、一口でいろいろな味が楽しめるもの。
和菓子で四季を感じるなんて日本人らしいことができてご満悦でした。
誰よりもお店の和菓子を愛するお母さん
志ら井の魅力の一つに、常に店頭にいるお母さん。一番和菓子に対しての愛情が深いと思っています。いつ休んでいるんだろうと不思議になるくらい毎回行くたびに店頭で店番をしています。
ちょっとでも迷っていると、ここぞとばかりにおススメをしてくれいつも買いすぎた!なんて一瞬後悔することも。(笑) それだけ美味しそうな説明をしてくれるってことですね。
ちなみに買いすぎた時は、時間が経ってもちょっとトースターであぶると美味しいよなんてこっそり教えてくれたり。
だから多く買っても大丈夫よ!なんて笑って話してくれる軽快なやりとりは心地よく、志ら井の賑やかな空気に合っていてとっても好きなんです。
江戸時代から守り続けている老舗の味。
ずっと守り続けているプレッシャーは私たちの想像をはるかに超えるはず。それでも地域の人に愛されているのはきっとこのお店で働いている人たちも愛されているから。
お母さんの他にもお嫁さんが2人表に立って店番をしています。
お二人もいつも笑顔で声をかけてくれて行くたびに気持ちのいい買い物ができる場所。伝統を受け継ぐだけでなく、今に合わせて変えている新しい風を感じることができます。
そんな老舗ならではの代々受け継いでいる味と、今受け継いでいる人たちの新しい空気が混じり合ったお店にぜひ足を運んでみてください。
店舗情報・アクセス
住所 | 東京都大田区南蒲田1-20-28 |
最寄駅 | 京急蒲田駅から徒歩2~3分 |
営業時間 | 9:30~20:00 |
定休日 | 日曜日 |
電話番号 | 03-3738-2410 |