上野動物園や年末の買い出しでおなじみのアメ横商店街、世界文化遺産に登録されている国立西洋美術館など都内有数の観光地が多い上野。
どれも幅広い年代の方達が気軽に訪れやすいと言われる人気スポットです。
そして、古くから庶民の方達に愛されてきた商店なども多く、その中でも今回は誰もが知っているご飯のお供が最初に作られた老舗漬物店をご紹介します。
酒悦(しゅえつ)さんとの出会い
私が酒悦さんを初めて訪れたのは、東京に来て半年程経った時でした。
職場が上野になり、毎日何気なく通っていた道に「酒悦」さんがあったのです。
最初は、看板が凄い立派なお店だなと思っていたぐらいで、そのお店がまさか私の大好きな漬物屋さんだとは知らず。
ある時、職場のお姉さんから「近くに美味しい有名な漬物やさんがあるよ」と教えて頂き場所を検索すると。あっ!!この場所知ってる!!
近すぎて気づかないとはこういう事なんだと思いました。
それから、酒悦さんのお漬物を度々購入する様になりました。
その内、友達にも食べて貰いたくなり、プレゼントしたりする事が増え、勝手に酒悦さんのお漬物の宣伝活動をしていました。ただのファンですね。
そして今回、酒悦さんを紹介できるという事で、まだ知らない方々の為にも、私も知らなかった酒悦さんの歴史や、おすすめ商品など、実際にお話を伺って得た沢山の情報をご紹介させていただきます。
340年以上愛されてきた酒悦さんの歴史
酒悦さんは1675年(延宝3年)に野田清右衞門氏により創業され、江戸時代に本郷から上野に移転しました。移転前は伊勢から仕入れた海産物を扱う「山田屋」として、移転後はお酒の肴(おつまみ)となる珍味類も扱うようになりその功績が高く評価され「酒が悦ぶほどうまいもの」の意として「酒悦」の屋号を、賜ったそうです。
それから340年以上の間、伝統の味を守り続け現在は上野と人形町に直営店があります。
そして、まだまだ驚く事はこれだけではありません。
長年の歴史が残っている店内
酒悦さんは、店舗のビルに遠くからでも目立つ大きな看板があります。
さすが古くから上野でお店を営んでるだけあって、堂々とした風格のある建物です。
入り口には、歴史が香る漬物樽の上に商品が並ばれており、有名な福神漬けも置かれています。
そして、特に私が1番目を奪われたのはこちら。
何か分かりますか?
見るからに歴史がありそうですよね。
商品棚の上に置かれているのですが、こちらは昔使われていた看板なんだそう。ちゃんと見ないと気づかない人も多いのではないでしょうか。
そして、こちらは大正時代改装後の酒悦さんの店舗の写真も飾っています。
昔の上野の雰囲気も感じられて見入っちゃいます。
福神漬の発祥のお店
酒悦さんを検索すると、福神漬が有名と出てきます。今ではカレーのお供として定番になっているあの福神漬発祥のお店が酒悦さんなのです。
まさか今まで普通に食べていた福神漬を最初に作ったお店だったとは。驚きました。
そして、店内には340年以上の歴史が感じられる物が沢山残っています。
こだわりが強かった当主:野田清右衞門
引用:https://ippin.gnavi.co.jp/article-5435/
酒悦の当主:野田清右衞門氏は、福神漬を明治10年頃に発明したと言われていますが、詳しく話を伺うと、福神漬が作られる以前から海苔・ゆかり・香煎類などをずっと作っていたそうです。今では有名なご飯のお供として最高に美味しい海苔佃煮や茎わかめも最初に作られたと言われています。
しかも、こだわりが強く納得する福神漬を作る為に厳選した3種類の醤油を使い、試行錯誤しながら約10年の年月を経て完成させたんだとか。
まさに研究者!!
あの野菜のシャキシャキ食感とほんのりとした甘さと醤油のコラボレーションの福神漬が10年もかけて作られていたなんて。
3種類の選べる福神漬は縁起物!?
福神漬の名前の由来は原料が7つの野菜(大根・なす・かぶ・うり・しそ・れんこん・なた豆)で作られた事から、七福神に因んで名付けられたと言われています。
上野には不忍池(しのばず池)という有名な天然の池があるのですが、そこに七福神の一つである「弁天様」があることから思いついたそうです。
福神漬の種類も現在は3種類あるのでお好みで選べます。
- 元祖福神漬(添加物を使用していない昔ながらの醤油風味)
- 特選福神漬(帆立・鰹の旨味と発酵調味料をく加えやや甘口)
- 淡口福神漬(生姜が香る爽やかな味わい)
そして、上野と人形町の店舗だけで購入可能な食感が良い生タイプの福神漬もあります。
こちらは賞味期限が約1か月と短いですが生のシャキシャキ食感を楽しむ事が出来ます。
縁起物の福神漬はお土産としてもピッタリです。
お酒に合うおすすめのおつまみ3選
酒悦さん名前をみても分かる通り、お酒のおつまみとしても最高のアテが沢山あります。
美味しそうな物が沢山あるので選ぶのも楽しいです。ちなみにスタッフさんにオススメを伺いました。
さばの燻製
さばの燻製は福神漬と並び有名な商品で、解凍するだけで食べられ、皮目を炙ったり焼さばとしてもアレンジ可能、ワインのおつまみや朝食の一品としても抜群。
かつおの酒盗
かつおの酒盗はマイルドな味わいで、お酒はもちろんご飯にも合います!
そして福神漬と並んで酒悦の人気商品です。
わさび漬け
胡瓜や茄子のわさび漬けはツーンと鼻に抜ける感覚がたまりません。わさびが大丈夫な方は、是非チャレンジしみてください!
イチオシ旬の野菜漬物
旬の野菜のお漬物は私も毎回必ず購入するお漬物。野菜の漬物が丸々カットされていない状態で入っているので一緒の昆布も細かくカットして食べて下さいね。季節により内容やおすすめが変わるので要チェックです!
写真を見ているだけでも食べたくなります。
もし、何を購入するか迷ってしまうという方でも安心。長年働かれていらっしゃる素敵な女性スタッフさんが多いので相談してみるといいですよ。
お店限定のお得な詰め合わせセット
お漬物を単品で購入される方が多いと思いますが、酒悦さんでは色んなアレンジが出来るように限定でセット販売も提案してくれます。
私が行ったときはまぜるだけでちらし寿司が出来るちらし寿司の素セットがありました。
ちなみに内容は日によって変わるので、お店に行った際にはこちらも要チェックです!
遠方や贈り物ならオンラインストア
酒悦さんは店舗販売だけではなく、誰でも購入できるようにオンラインストアや通販サイトも充実しています。
もちろん福神漬やさばの燻製なども購入できますので、この機会に自分用でも良し、日頃お世話になっている大事な方への贈り物として利用してみてください。
https://shuetsu.co.jp/
大人になったら漬物屋さんデビューを
当たり前に食べていた物にもストーリーがあることを知れて興味を持ち、更にお漬物はそのまま食べる以外考えたことがありませんでしたが、お漬物同士を組み合わせたり、アレンジレシピを知れたりと新しい発見が沢山ありました。
スーパーでも気軽に買えるお漬物ですが、一度は漬物屋さんでじっくり選んでみてはいかがでしょうか?