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【つつじヶ丘】50年磨かれた匠の技が光る和菓子ささきの秘密

京王線つつじヶ丘駅北口方面にある、風情を感じる小さな商店街、富士見街。

全長40メートルほどで、特に昼間は静かでのんびりとした通りですが、通るたびに笑い声が聞こえ人が集まっているお店があります。

地元の人たちに50年間愛され続ける和菓子ささき

つつじヶ丘和菓子ささき

私が和菓子ささきを知ったのは1年ほど前のこと。

つつじヶ丘にある美容室に行った時に、生まれも育ちもつつじヶ丘の担当美容師さんにつつじヶ丘のお勧めを聞いたらここ和菓子ささきを勧められました。
若くて派手な美容師さんの口からまさか和菓子屋さんが出てくるとは思わず、驚いたのを今でも覚えています。

さらにそれから少し経った頃、つつじヶ丘歴40年近いグルメ通の方からも偶然和菓子ささきをお勧めされされたので、和菓子ささきは本当に地元の人々に愛されているのでしょう。

創業50年の家族経営の和菓子屋さんで、和菓子職人であるお父さんが朝早くからひとりで和菓子を作り、娘さんたちが店頭で売っています。

その接客担当の娘さんたちがとにかく素敵で。
いつも優しい笑顔で迎えてくれ、そして何か質問すれば親切丁寧に分かりやすく教えてくださいます。本当に感じのいい方々です。

和菓子職人のご主人は現在なんと79歳。
お店を始めて50年間、いまだ現役で毎日毎日丁寧にひとつずつ和菓子を作っている初代主人です。

味一本勝負で人が集まる人気店

和菓子ささき外観

「口コミほど強いものはない」。和菓子ささきを見ていると改めてそう感じます。

決して洗練された店構えではないし、流行りも取り入れていない。人通りが多い立地でもなく、雑誌やテレビで特集を組まれているわけでもないのに、和菓子ささきは客足が絶えない。

感動するほどの美味しい食べ物に出会ったら、人はそれを誰かに伝えずにはいられない。
その結果、和菓子ささきには美味しい和菓子を求めて連日多くの人が集まる。

テレビや雑誌、SNS、Webサイト……。PRができる場所が沢山ある時代だけど、やはりリアルな、そして本気の声は最強だと思う。お金をかけずとも頑張らずとも、本物は伝わるし広まる。

和菓子ささきには常時10種類ほどの和菓子が置いてありますが、夕方になると人気商品は売り切れていることも多々あります。ちなみに私は、人気のぼたもちが食べたくて買いに行くも毎回売り切れで、4回目の来店でやっと買うことができました。

お目当の和菓子がある人は早めに行くことをお勧めします。

70円から堪能できる和菓子職人の神業

和菓子ささきメニュー

和菓子ささきは安い。
名物のみたらしだんごはなんと70円。それ以外の和菓子も80円〜。210円出せば驚くほどに大きなぼたもちが買えます。

こんなに手の込んだ和菓子でもわずか170円。

和菓子ささきの練り切り

こんなに愛らしい和菓子を170円で買うのが申し訳なく思ってしまう。それくらい安い。

職人がご主人ひとりなので人件費がかからないこと、家族で営んでいることで経費を抑えられているからこの値段でできるそうです。

甘ったるさを感じないワケはこの道一筋50年の職人の腕

和菓子のショーケース

ここの和菓子を食べた人が口を揃えていうのが「甘さが控えめで美味しい」

私も初めて食べた時は甘さ控えめに感じました。
甘いものに目がない私ですがこんなにすっきりとした味わいの和菓子は初めてでした。

しかし、実は他のお店に比べてお砂糖の量を極端に減らしたりはしていないそうです。

和菓子ささきの和菓子は甘さが控えめなのではなく、「必要以上の甘ったるさや、後に引く甘さを感じないように作っている」というのが正解です。

これは数値や理屈で説明できるものではなく、全ては和菓子職人であるご主人の感覚と腕でこの味を作っているそう。

神業です。

おススメの和菓子

並んでいる和菓子が全部美味しそうでどれを買うか決められなかったので、お店の方に特にお勧めされた3品をご紹介します。

くず桜 (130円) 葛餅

くず桜

お勧めを聞いた瞬間に「これです!」と教えてもらったくず餅。お店の方が美味しいと絶賛されていました。
涼しげな見た目が夏の季節にぴったりです。
ちなみに和菓子ささきのくず餅は本葛100%にも関わらず130円!本葛は高級なのでありえない値段です。

「食べる前に冷蔵庫で20分冷やしてから食べてください。本当に美味しいので。」とアドバイスいただいたので、すぐに食べたい気持ちを抑えて冷蔵庫へ。

20分後、いい感じに冷えたくず餅を取り出すと、その時点でぷるんと揺れてもう、すでに目が美味しい。

フォークをさすと絶妙な柔らかさと弾力。

ささきの葛餅

口に入れた瞬間、ひんやりとした程よい甘さのくず餅があっという間に口の中でとろけたかと思ったら、今度は瞬く間にあんこの味が口いっぱいに広がります。蜂蜜のようなコクのあるあんこはどれだけでも食べられそうです。
思わず唸ってしまうほど美味しい。

お店の方が絶賛してたのにも納得です。

ぼたもち(210円)

ささきのぼたもち

和菓子ささきにある和菓子の中で私が一番好きなのがこのぼたもち。
夕方に行くといつも売り切れているほど人気です。

とにかく大きくて普通のぼたもちの2倍~3倍ほどの大きさです。
なのに、ぺろっと食べられちゃうんです。
あんこたっぷりなのに甘さが控えめなので飽きもこず、最後の一口まで幸せな気持ちで食べられます。

牡丹餅の断面

中のもち米の潰し具合が絶妙。
もっちりとしたもち米と、ねっとりしたあんこのバランスも最高。
これだけしっかりあんこが使われているのに、あっさりしているんです。
甘さだけに頼らないあんこはしっかり旨味を感じることができます。
全てにおいて「調度良い」!!

みたらし団子(70円)

みたらし団子

さらに和菓子ささきといえば、このみたらしだんご。
私が見る限りでは、訪れた人のほとんどがこのみたらしだんごを買っています。
今回、私がいろいろお話を聞いている最中も、みたらしだんごを買い求めるお客さんが来ていました。

ちなみに私に和菓子ささきを教えてくれたその美容師さんは、一度に10本食べたとのこと(笑)それほど美味しいんです。

みたらし団子

醤油と砂糖の甘辛さ、そして炙った香ばしさ、トロッとしたみたらし餡に、モチモチのお団子…。
あまりの美味しさに、油断したら無限に食べてしまいそう!!!
私が今まで食べていたみたらしだんごはなんだったんだと思ってしまうほど絶品です。
買うときは1.2本多めに買うことをお勧めします。きっともっと食べたくなりますから。

提供するのは「美味しい」だけじゃない

和菓子ささきの魅力は、味だけじゃない。

この道50年の和菓子職人のお父さんが作る自慢の和菓子を心の底から美味しいと思い、胸を張り笑顔で売る娘さんたち。

ほんの少し話しただけでも、お父さんが作る和菓子に対しての愛情と信頼がひしひしと伝わります。

娘さんたちは、「お父さんの技術を受け継ぐことが出来なかった。この和菓子はお父さんにしか作れない」って言っていたけれど、私は生意気にも思うのです。

みんなに愛される和菓子ささきの和菓子は、50年間ひとりで和菓子を作り続けたお父さんの腕と、お父さんの和菓子を心から愛しその良さを伝えようとする娘さんたち、この二つが合わさって完成しているんじゃないかって。

現に私は、今回初めてゆっくり娘さんたちのお話を聞いて、いつもの和菓子がもっと美味しく感じました。

美味しいものが簡単に手に入る今の時代。
食べて「美味しい」と感じる食べ物は溢れているけれど、和菓子ささきの和菓子は食べるとなんだか「嬉しい」。
美味しくて、優しくて、懐かしくて、なんだか嬉しい。

店舗情報・アクセス

住所〒182-0006 東京都調布市西つつじケ丘3丁目25−4
電話番号042-482-7816
最寄駅京王線つつじヶ丘駅から徒歩1~2分
営業時間9:30~19:00
定休日月曜(第5月曜は営業)

つつじヶ丘和菓子ささき
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