中目黒で大人気のネパールレストランADIのインタビュー後半はこだわりの紅茶とネパールでの奇跡のストーリーについてです。
前半の記事はこちらから。
麻布十番で大人気だった本格ネパールカレーのお店adicurryが名前を変え『ADI』(アディ)として中目黒にリニューアルオープンしました。さらにレベルアップしたADIはネパール料理初心者から本格派マニアまで日々ファンを増やし続け、ラ[…]
その日の気候によって味が変わる大人向けのチャイ
── ADIにはチャイスタンドもありますよね。かなりこだわっているとお聞きしました。
カンチャンさん: ネパールのチャイの茶葉を作っている工場があり、そこから卸してもらっています。茶葉は1番から5番に分けられるのですが、理想の色や香りになるよう自分でミックスと調整をして持って帰ってきました。
── ADIのチャイって結構スパイシーですよね!
カンチャンさん:ちょっと大人向けのチャイを作っています。
うちのチャイは毎日新しく準備するんですけど、その日の気温などでスパイスを変えています。最近はちょっと寒くなってきたから多めに生姜を入れたり、胡椒を入れたりしています。だから毎日味が違うんですよ。
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最高の環境で作られた紅茶を日本へ
── ADIにはチャイの他に紅茶も置いていますよね?
カンチャンさん:こっちは”CHIYA-BA”というネパール産の紅茶の茶葉で日本ではここでしか買えないものです。
2017年にネパールに帰った時に、みんなで山に登ったんです。その山には農家さん達が暮らしている小さな村があって、そこで育てられてる茶葉で入れた紅茶を飲んだら、今まで飲んだことがない味でびっくりしたんです。ものすごく美味しくて。
これだけ美味しい紅茶を作るためには農家さんたちがとても頑張ってるんだなと思って、そんな農家さんたちを応援したいなと思ったのが始まりです。
明日美さん:そんな話聞いたら飲みたいですよね?笑 ちょっと用意します!
── 用意していただいたCHIYA-BAのお茶を頂きました ──
口の中がお花畑になったような良い香りがしてとても美味しい……。
紅茶を淹れるカンチャンさん
明日美さん:そしてこの紅茶の茶葉を日本に広めるためにクラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げたら多くの人が賛同してくれて、こうやってブランドを作ることができました。
実はCHIYA-BAの紅茶は、完成してもアメリカやフランスに送られてしまうのでネパール人でもなかなか手に入らない貴重な紅茶なんです。
── そんなに美味しい茶葉はどのように作られているのですか?
カンチャンさん:作り方というよりは環境が違います。
まず標高が2700 mの急勾配の場所にあって、その周りは山に囲まれています。
山に生えてる木の葉っぱが紅茶の畑に落ちて、その葉っぱが積み重なってそれが土壌になっている場所です。
茶葉じゃなくて茶葉を植えている土自体がとっても良い香りがするんですよ。
── そんな場所で育ったら間違いなく美味しいですね。
カンチャンさん:空気もとても綺麗で、空気の汚れを測定しても0%。
本当に何もかもが素晴らしくて地元の人たちも神様が作った場所なんじゃないかなって言われているくらいとてもスペシャルな土地で育てられています。
またできるだけ機械などに頼らず、自然のままに育てるようにしています。それでこんなに美味しくてびっくりするぐらいの茶葉ができています。
最後にたどり着いたネパールの職人さん
── 茶葉が入れてある銅缶もとっても素敵ですね。
カンチャンさん:紅茶の茶葉を入れている銅缶もネパールの職人さんが一つひとつ手作りしてくれたものです。
明日美さん:私たちは、工芸という物がとても好きなんです。
なので銅缶をどうしても手作りして欲しかったのでネパールに10日間滞在して、作ってくれる職人さんを探したんですけど全然見つからなくて。
本当にどうしようと思って街を歩いてたら何かを叩く音が聞こえたので、その音を頼って、音の出所を探しました。パタンという街なんですが道が迷路みたいで。そこを突き進むと、どこかにタイムスリップスリップしたかのような昔ながらの工場があったんです!
そこでダメ元でお願いしたら受けてもらえて最後の最後に間に合いました。
私たち出張期間が10日間しかなくてその間に絶対に決めないといけなかったんですけど、ぎりぎりそこでお願いすることができました。
あの工場を見つけた瞬間は夢をみてるかと思ったなぁ。本当にタイムスリップしたみたいな工場で。
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── でもどうしてそんなに断られたんですか?
カンチャンさん:すごく細かくて大変な作業だから皆やりたがらなかったんです。
明日美さん:でも私たちは昔からの技術を継承している技術者たちのことをリスペクトしていて、できればこういうネパールの手仕事を後世に残すお手伝いをしたいと思っています。
それは日本の職人さんに対してもそう思うので、例えば日本の職人の方にネパールの文化のものを作ってもらうとか、そうすることで二つの国の文化がクロスするのを見るのがたまらなく面白いんです!
ヒマラヤプライドを日本へ
── お二人の次の目標は何ですか?
明日美さん:やれるかどうかは別として楽しいプロジェクトをたくさん考えています!夢と希望しかないので!笑
特にインテリア系はやりたいですね。ご縁がある作家さん達とコラボしてキッチン周りのインテリアとか雑貨などを作っていきたいです。ネパールに行けるようになったらネパールの工芸なども日本に紹介したいなと思っています。
もっと言っていですか?!私たちは出来る出来ないは置いておいて「なんでも言っとけ!」タイプなんで!笑
── もちろんです!笑 聞かせてください!
明日美さん:先ほどご紹介した茶葉を使ったお茶屋さんもやりたいですね。「ネパール」をいうのを入り口にするのではなく、私たちがヒマラヤから教えてもらった、ゆったりとした時間の流れとか、継承される文化とか、そういうのをお茶を通して伝えられたり、感じでもらえる空間が作れたら良いなと思っています。
特に日本の東京での生活はとってもせわしない。その中でお茶をゆっくり煎れて飲む時間はとても贅沢な時間だと私は思っています。香り高い紅茶を益子焼の作家さんに作ってもらったカップで飲む……めちゃくちゃ贅沢だと思いません?
── 夢が広がりますね!
明日美さん:私たちは夢しかないんで!笑
カンチャンさん:私たちがヒマラヤプライドと呼んでいる言葉があります。
ヒマラヤみたいに高いプライドということなんですが、自分たちの文化や作るものに誇りを持っているという意味です。
そのプライドにかけて作られた良いものがたくさんあるんですよ。
明日美さん:ネパールには素晴らしい物がたくさんあるので、そういうのをもっと広めていきたいですね。
ADIのお話を伺って
母国ネパールの文化や産物に誇りを持ち、その良さを日本に伝えようとするカンチャンさんと、どんなピンチも笑って吹き飛ばすポジティブでエネルギッシュな明日美さん。
ADIをオープンしたばかりで忙しいはずなのに、すでに両手では持ちきれないほどたくさんの”次の夢”を持っていました。その夢をキラキラした顔で語ってくれた二人を見ていると、これからどんな困難が待ち受けていようときっと笑顔で乗り越え、本当に全ての夢を叶えてしまうのだろうなとこちらまでワクワクしました。
そんな二人の想いとエネルギーが詰まったこだわりのダルバートをぜひご賞味ください♪
注意:平日でもすぐに売り切れるほどの人気店なのでできるだけ早めの時間に行くことをお勧めします!