京王線仙川駅から徒歩3分、活気あふれる商店街”ハーモニータウン”から少し入ったところにお洒落なクレープ屋さん『mococo CREPE』(モココクレープ)があります。
今日は美味しいクレープを食べながら、このお店を一人で切り盛りしているオーナーの小泉知花さんにお話を伺いました。
お花が溢れるmococo CREPE
店内に足を踏み入れると沢山のドライフラワーが迎えてくれます。
クレープ屋さんといえばポップな内装や色使いを思い浮かべますが、そのイメージの真逆。大人の洗練された空間で、店内どこを見渡してもセンスが光っています。
ちなみに壁に飾ってあるスワッグ(ドライフラワー)は購入することもできるそうです。
お店を開いたきっかけは子供の頃から憧れていた戦隊ヒーローだった
──小泉さん今日はよろしくお願いします。まずは、クレープ屋さんを始めたきっかけを教えてください。
小泉さん(以降省略):きっかけは、小さな頃からずっと好きだった忍者戦隊カクレンジャーです。笑
カクレンジャーって妖怪退治をしながらクレープ屋さんをしているという設定なんです。
転職のタイミングで、どうしようかなと悩んでいるときに、「カクレンジャーと同じクレープ屋さんになろう!」と決めました。
そこから10年経って、独立して今に至ります。
──戦隊ヒーローとはすごい理由ですね!!!
そのことが記事になって、SNSでバズりました。
それがカクレンジャーにまで届いて、実際にお店に来てくれて、お祝いのお花までもらったんです。クレープも食べてくれたんですけど、もう嬉しいとかそういうのを通り越して、ただただびっくりでした。大人になってからもずっと好きだったので。
更にカクレンジャーファンの方々も聖地巡礼のような感じで全国各地から来てくれて。熊本や北海道の遠方からわざわざ来てくれたお客さんもいました。
カクレンジャーの皆さんのご好意でコラボイベント的なこともさせていただいたんですけど、打ち上げでカクレンジャーとお酒を交わしたときに、「あの時の私は子供だったけどカクレンジャーとお酒飲んでるなんて大人になったなー。」ってしみじみ思いましたね。笑
優しい食材で作る攻めのクレープ
モココクレープにはクレープ屋さんに必ずある「チョコバナナ」「いちごホイップ」などの王道メニューが一切ない。
逆に「紅茶鴨」「ポーク卵」「ムースフロマージュ」など、クレープ屋さんではまず目にすることがない言葉が並んでいます。
──珍しいクレープばかりですが、メニューはどのように決めているんですか?
変わってますよね。笑
他のクレープ屋さんと同じことをしていたら、私のような個人店は負けてしまうので、他がやっていないことをやろうと思ってとにかくこだわりました。
私だけじゃなく、知り合いのイタリアンのシェフやワインソムリエなどにも手伝ってもらってメニューの開発をしているんですが、試作しすぎて、もういくつ試作品を作ったか、一つのクレープを完成させるために何個作ったか、多すぎて数えきれないですね。
──では、今メニューにある11種類のクレープは選りすぐりの自信作なんですね。
ですね。数えきれないほど作った中のトップ11です。
美味しいのが嬉しいから食材にこだわりまくる
──食材にもこだわっていらっしゃるんですよね。
そう!そうなんです!クレープ屋さんって、冷凍ホイップや冷凍ケーキを使うのが主流ですが、それだと甘すぎると感じていて。なるべく砂糖の量を減らして手づくりして、大人も美味しいと思ってもらえるクレープを目指しています。
お砂糖も白砂糖はなるべく使わずてんさい糖を使って、バターも北海道から取り寄せていますし、キャラメルソースもいちから手づくりしてあえてほんのり苦味を出すようにしています。
──お店はたった一人でやってるんですよね?大変じゃないですか?
大変です。笑
でも、いいんです。美味しいのが嬉しいから。
雇われていた頃は好きなことはできなかった。でも今ならなんでもできる。
だから、あの時できなかったことをやれるのが嬉しいし楽しいんです。
──こだわればこだわるほど食材費もかかりますよね?
確かにそうなんですけど、今ならやりたいことが好きにできる。
自分が出したいクレープを作って、そのクレープをお客様にお出しできる。それがすっごく幸せなんです。特にうちはお子さん連れのお客様が多いので、なおさらですね。
映えだけじゃない。伝統を壊す本当の美味しさを求めるクレープ
いただいたのは、まるでお花が咲いたようなクレープ『りんごのコンポートとムースフロマージュのクレープ(700円)』
食べ進めるごとに食感が変わる生地、素材の旨みと食感を活かしたりんごのコンポート、しつこさが一切なく、爽やかでいくらでも食べられてしまいそうなムースフロマージュ。
もう、芸術です。クレープの域を超えた芸術的スイーツです…!
──衝撃的に美味しいです!生地がパリパリで初めての食感!
生地にはこだわっていて、表面はパリパリ、中はもっちりになるよう丁寧に焼いています。
──りんごがコンポートなのにシャキッシャキですね!
実はコンポートって昔からレシピが変わっていないんです。すごく甘いですよね。ものすごく砂糖を使っているんです。
けど、現代のフルーツって昔と比べて糖度も増しているし優秀だから、逆に大量のお砂糖がフルーツ本来の甘味を消してしまうのがもったいないと思って、うちはお砂糖は一切使わずはちみつだけで煮詰めて、シャキシャキ感も残しています。
──あとは、フロマージュも美味しい!クリームチーズみたい
そうなんです。レアチーズケーキを想像してもらったら一番近いと思います。
これもごっそり砂糖を減らして、一から手作りしています。
──それにしてもたっぷり贅沢に入っていますね!しかもこんなに入っているのに胃もたれしないというか爽やかで最後まで美味しいです。
うちのクレープは「物足りなさを感じない、お腹いっぱいになれるクレープ」を意識しているので、たっぷり入れてるようにしています。作り方は企業秘密ですがこだわっています。笑
──ちなみに小泉さんの一押しメニューはどれですか?
塩キャラメルのクレープ(450円)ですね。
ちなみに一番人気もこの塩キャラメルなんですよ。シンプルだから、生地のパリパリもちもち感を存分に味わってもらえるクレープです。
キャラメルはあえて少し焦がして苦味を出すようにしています。
──おすすめを聞いて、一番安い種類のクレープを即答してくださるそのスタンス好きです。笑
優しさと愛情が詰まった唯一無二の贅沢クレープ
正直なところ、このお店を知った時、「ひとつ700円は高い…。」なんて考えてしまいましたが、一口食べた瞬間に「何も知らずにごめんなさいーっ!」って心の中で謝ったほど美味しいクレープでした。
話を聞かずともたった一口食べるだけで、食材や作り方にこだわっているのがひしひしと伝わりました。
コロナウイルスの影響で決して営業は順調ではないであろう状況の中、最初から最後までそれはそれは楽しそうにクレープ愛を語ってくださった小泉さん。
「どれだけ大変でも、お客さんの美味しいの一言で頑張れます!すっごく嬉しいんです!」と少女のような満面の笑みとキラキラした瞳で答える小泉さんが作るクレープ、ぜひ一度ご賞味ください♪
詳細情報・アクセス
住所 | 調布市仙川町1丁目12−12 |
最寄り駅 | 京王線仙川駅 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | ウェブサイトやSNSをチェック! |
ウェブサイト | https://www.mococo-crepe.com/ |