注目キーワード

【中板橋】昭和ノスタルジックな街並みを感じる中板橋散歩

ノスタルジックな街並み、と言ってあなたが連想する街はどこでしょうか。浅草、谷中銀座、月島・・・。思い浮かべた中に、中板橋はありましたか?東京に住んでいる人でも、この街を知っている人は多くないはず。

中板橋は静かで目立たない街ですが、昔ながらのノスタルジックな雰囲気を残した街でもあります。この機会に、誰も知らない昭和の街を、散歩してみるのはいかがでしょうか?

富士山風の山が見える銭湯。稲垣浴泉

稲垣浴泉

最初に紹介するのは、中板橋に唯一ある銭湯の稲垣浴泉(いながきよくせん)です。

最近の温泉や銭湯は券売機で料金を払うシステムがほとんどですが、稲垣浴泉は番台の方に直接料金を払う、昔ながらのシステム。わたしは番台のある銭湯に訪れたのはここが初めてでした。なんだかそれだけでノスタルジックな雰囲気が感じられて、ドキドキしてしまいますよね。

板橋区浴場組合サイトより

大浴場に入ると、さらにノスタルジックな光景が目に入ります。壁のタイルに山と湖の絵が描かれているんです。番台のある銭湯自体初めてなのに、こんな昔ながらの銭湯の風景に出会えるなんて、感激です。

富士山でないのが惜しい気持ちもありますが、それでも充分、味があって美しい景色。「極楽、極楽」と言ってしまいたくなります。

それ以外にも稲垣浴泉には、味があって好きだなあと思えるところがあります。
とても細かいことなのですが、稲垣浴泉は男湯・女湯の暖簾の色がどちらも青色で、同じデザインなんです。間違える人が多かったのでしょう、女湯の暖簾には白抜きされた「ゆ」の文字を赤マジックでなぞってあるんですよね。
暖簾を買い替えるわけでもなく、ただ、赤マジックでなぞっただけ。番台のおじいさんがマジックを持つ姿が簡単に想像できて、なんだかとても癒されます。
稲垣浴泉を訪れた際にはぜひ、ぎこちない「ゆ」の文字から漂う哀愁も一緒に感じてみてください。

住所板橋区中板橋29−3
最寄り駅中板橋北口より徒歩2分
定休日月曜
営業時間16:00〜23:00

※2020年7月現在、設備故障のため休業中。

石神井川で耳を澄ます

石神井川

中板橋駅から歩いてすぐの場所にある石神井川は、主に板橋区や練馬区を流れる川です。護岸はきちんと整備されていて、綺麗な川を眺めながら散歩することができます。

せせらぎにつられて目をやると、川に住む生き物に出会えることも。特に鴨などの水鳥が泳いでいることが多く、親子が並んで泳いでいる微笑ましい姿を見ることができます。川に顔をつけて何か食べているような光景もよく見る景色なので、餌になる小さな魚や虫がたくさん生息しているのでしょうね。

また、石神井川では春に桜並木を楽しむことができます。川沿いに植えられている木はすべて桜なのです。桜の季節になると近くに出店が並び、賑わいをみせています。川沿いは車一台がギリギリ通れるほどのとても狭い道なので、座って花見をすることはできませんが、ビール片手に歩きながら花見をするのも楽しいですよ。
ちなみに石神井川の桜並木は、板橋十景にも選ばれています。

中板橋お花見

石神井川沿いには小学校や中学校があるため、散歩をしていると懐かしい音がたくさん聞こえてきます。休み時間に校庭で遊ぶ賑やかな声や、授業の始まりを告げるチャイムの音、部活動での元気な掛け声、ボールを打つ音・・・。わたしでさえノスタルジックな気持ちになるのだから、それを目当てに散歩している年配の方が多いのも頷けますね。

石神井川沿いはゆっくり歩けば20分ほどの散歩道。ぜひイヤホンを外して、周囲の音に耳を傾けながら歩いてみてはいかがでしょうか。

<アクセス>
中板橋駅北口より徒歩2分

路地裏に迷い込んでみよう

近年、都内近郊の多くの街が再開発に取り組んでおり、昭和らしい懐かしい風景が失われつつあります。もちろん板橋区も例外ではありませんが、中板橋は小さな街であることも幸いして、まだその手は及んでいません。
そのため昭和からの古い家が多く、生活感あるノスタルジックな雰囲気を味わうことができます。わたしと一緒に中板橋を歩いてみましょう。

まず見つけたのは、井戸。実は未だに現役で、火事や災害の際に使うために残されているそうです。

ポンプ

階段やドアがカラフルな建物。レトロな雰囲気があって可愛らしいですよね。思わず写真を撮りたくなってしまいます。

古い街なので、家と家が隙間なく並んでいます。たまにここから猫が顔を出すことも。見つけたときはそっと遠くから眺めてみましょう。

ふと気になって写真を撮ってしまいました。どうしてこんなところにコロコロが立っているのかはわかりませんが、こんなふうにちょっとよくわからない光景を見ることができるのも中板橋の面白いところ。

写真を載せたスポットの場所は、あえてここでは紹介しません。ぜひ中板橋を散歩して、探してみてくださいね。

活気のある中板橋商店街

中板橋駅に降りるとすぐ「なかいた」と書かれた大きなアーチが目に入ります。これが商店街の目印です。

車がほとんど通らず、道ゆく人はお財布片手に買い物に向かうご近所さんばかり。
お会計にレジに行くと長年の常連さんがお茶を飲んでいたり、「あら、今日は早いのね!」なんて声をかけられて照れ臭そうに笑うサラリーマンなど、昔ながらの商店街の風景に出会うことができます。

中板橋商店街マップ

商店街公式HPより

中板橋商店街は大きく5つのエリアに分かれています。中でもわたしのおすすめは中銀座エリア。このエリアはお惣菜やスーパーが多く、毎日の買い物は中銀座で充分揃います。

中銀座エリアのお店の詳しい紹介はこちらへどうぞ。

古いものほど残る街、中板橋

わたしが中板橋に住み始めたのは2010年ごろ。それから小さな変化はありますが、街の景色が変わるような大きな変化も、大きな変化が起こる様子も未だありません。とくに昔からある古いものほど、変わらずそこに残っています。まるでこれから先もずっと在る、とでもいうかのように。

古いものほど残るのは、それが中板橋に根付いているから。生活に寄り添っているものは、何があろうと無くなりません。そして生活に寄り添っているということは、この街の景色が「作られた景色」ではないということの何よりの証ではないでしょうか。

みなさんもぜひ、生活に根付いたノスタルジックな街並みを味わってみてはいかがでしょうか。

線路
最新情報をチェック!