新宿から京王線の快速に乗って約20分のところにあるつつじヶ丘駅。急行停車駅として京王線の中では比較的大きな駅です。
しかし、すぐ近くにある仙川や調布に比べると知名度が低く、聞いたことさえない人もいるかもしれません。つい1年半前は私もそうでした。
しかし、ひょんなことからつつじヶ丘を訪れる機会があり、丸一日つつじヶ丘で過ごす中でその魅力に気付いていまい、翌月にはつつじヶ丘の住民になっていました。そして引っ越してから一年以上、ほぼ毎日散歩をしていますが飽きるどころか、歩くたびにつつじヶ丘の魅力を再確認しています。
この記事ではつつじヶ丘を愛してやまない私がつつじヶ丘の魅力をお伝えします。
住むには丁度いい。のんびりした街並み
都会との距離、飲食店などのお店の密度、自然、観光など、つつじヶ丘は全てにおいて「ちょうど良い街」です。10分歩けば仙川、15分歩けば国領、調布までは電車で3分で行くことができます。
あの有名な観光地、深大寺へのアクセスの起点でもあり、お散歩にちょうど良い範囲内に見所がたくさんあるのです。
毎年開催される深大寺名物だるま市の様子
また、つつじヶ丘駅周辺の栄え具合もまたちょうど良い。
決して都会ではないけれど、生活する上で必要なお店は全部揃っているし、飲食店も多い、病院や歯医者、美容室もたくさんあり、昔ながらの懐かしい街の雰囲気と人付き合いが程よく残ったのんびりした街です。
そんなつつじヶ丘駅の特徴は、南口から出るか、北口から出るかで全く違う街の雰囲気を味わえるところです。
のんびり自然に触れながら散歩をするなら南口
つつじヶ丘駅を南口から出ると、そこにはのんびりとした住宅街が続き、個人経営の小さなケーキ屋さんやレストラン、花屋さんなどがポツポツとあります。
車や人の行き来が少なく、緑もたくさんあるのでお散歩には完璧なエリアです。
不思議な雰囲気を持つ巨大団地、神代団地
数分歩けば、50年の歴史を持つ巨大団地、神代団地に入ります。
ここまでくると、さらに人や車は少なくなり、緑が増えます。歩道が広いので周りに気を使わずゆっくり歩けてとっても気持ちが良い!
私がお散歩のたびに毎回立ち寄るお気に入りスポットは、神代団地内にある中央商店街。
思わず二度見してしまうほどの激安な八百屋さんや、地元の人たちが通う格安スーパーマーケットが並ぶ中、「どうしてここに!?」とびっくりする有名なカフェやお洒落な牛乳屋さんなどもあり、なんだか不思議な空間。
とっても広い広場があるので子供たちが駆け回っていたりと、いつ訪れても地元の人たちが集まっている賑やかなスポットです。
野川遊歩道
南口から徒歩10分ほど、神代団地のすぐ横にある野川遊歩道は地元の人たちが集まる人気散歩コース。
ここにくるたびに「つつじヶ丘に住んでよかった」と思わせてくれる大好きな場所です。
春は桜が咲き乱れ、夏は川遊びをする子供たちがたくさん、秋はどんぐりなどの木の実がなり、冬の終わりには菜の花が満開。東京にいながらこんなに四季を楽しめる場所はなかなかありません。
お散歩するときは、ぜひ河原に降りて歩いてみてください。
土を踏む気持ちの良い感覚を足で感じて、元気な草木の匂いを体いっぱいに吸い込んで、綺麗な水が流れる川のせせらぎを聞いて、優しい風に頬を撫でられ、ただ歩いているだけなのに、体の力みや緊張感がスルスルとほどけていくのを感じます。
周りを見渡せば、いろいろな種類の野鳥が水浴びをしたり、餌を食べたり、さえずっている様子を眺めることもできますよ。
野川はとても大きな川なのでどこまでも気が済むまで歩けます。
せっかくなら夕日の時間までのんびりしてはいかがでしょう。
夕日色に染まるの野川もまた美しいです。この夕日を眺めていると、自分が今、大都会東京で暮らしていること、忙しなく働いていること、満員電車でもみクシャにされていること、そんな毎日が遠い世界の話のように感じます。
もしあなたが犬好きさんなら夕方の時間がおすすめです。ここは近所の人たちの犬の散歩スポットでもあるので、夕方になるとどこを見ても犬、犬、犬の犬天国になります。
実は私は犬目当てにくるくらいです。笑
名物プリンアラモードに全国からファンが集まる”手紙舎”
手紙舎名物”季節のプリンアラモード
野川を散歩するならぜひ訪れて欲しいのが、先ほどチラッと書いた神代団地の中央商店街に店を構える【手紙舎】。
ここで出される季節のプリンアラモード は絶品なのですが、少し前に「プリン本(昭文社)」に掲載されたことでさらに注目され、今や全国からファンが集まるほどの人気カフェです。
もちろん、プリンアラモード は最高でしたが、木をたくさん使ったお店の雰囲気がとても良くて。
店内には、絵本や古本がたくさんあり、美味しい飲み物を飲みながらのんびり読書を楽しむことができます。
ただ、オープン時間からお昼どきは平日でもかなり混むので、少し遅い時間にずらして訪れるか、時間に余裕を持って並ぶ覚悟で行くことをおすすめします。
手紙舎について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
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食べたり飲んだりするなら賑やかな北口
のんびりした南口とは反対に北口はとっても賑やか。
チェーン店から個人店まで多種多様な飲食店、長い歴史を持つちょっとディープな飲食街、書店、ブディック、美容室、カフェなどが立ち並びます。
特に代々お店を継いでいるような、地元の人たちに愛される個人店がたくさんあり、味だけではなくその歴史や店主のお話などを聞くのも楽しみの一つです。
実はつつじヶ丘は、隠れた名店が多く存在するグルメの街とも呼ばれています。
特におすすめのお店を厳選してご紹介しましょう!
最高級コーヒーコピルアクが飲める珈琲焙煎SAKAMOTO
お洒落で可愛いカフェより喫茶店が好きという方にぜひ訪れて欲しいのがつつじヶ丘駅から徒歩2分のところにある珈琲焙煎SAKAMOTO。
店内いっぱいに広がる挽きたてのコーヒーの香り、豆を焙煎する機械の音、控えめに流れるJAZZ、棚に並ぶ全て柄が違うコーヒーカップ、静かに本を読む常連と思わしき先客たち。
そして、コーヒー一筋48年のクールでダンディーなマスター。
喫茶店好きが思い描く理想の喫茶店を具現化したかのような空間が広がっています。
豆の選別から焙煎までマスターが自ら行っているこだわりのコーヒーはどれももちろんとても美味しいです。
また、SAKAMOTOには世界最高級かつ、その希少さから滅多にお目にかかることができないインドネシアのジャワ島などで作られているコピルアックが置いてあります。
ちなみに私は世界50ヵ国以上でコーヒーを飲み比べたコーヒーマニア。コピルアックを飲みたさに原産国であるインドネシアに行きましたが、生産地ですら置いているカフェを探すのにものすごく苦労したくらい希少です。ちなみにお値段は、コーヒー1杯がその日泊まっていたホテルの1泊の料金と同じくらいでした。
私が知る限り、SAKAMOTO意外で日本でコピルアックが飲めるのは1ヶ所だけ。しかも1杯5000円ほどします。そんな中SAKAMOTOは1杯1500円で飲むことができます。もちろん本物のコピルアックで、証明書もお持ちでした。
雰囲気、マスター、提供されるコーヒー、どれをとっても完璧な喫茶店です。
喫茶店が好き。流行りのスイーツが話題のカフェやオシャレな通りにあるカフェ、写真映えするカラフルなカフェもいい。だけどあの、時代の流れに逆らうような佇まいと静かな空間がたまらなく落ち着く。知らない街を歩くときには無意識に味わい深い[…]
地元の人に愛され続けて50年、和菓子のささき
私がつつじヶ丘に引っ越して間もない頃、つつじヶ丘歴40年のグルメ通の方と、たまたま行った美容室で担当してくれた生まれも育ちもつつじヶ丘の若い美容師さんにほぼ同時にすすめられたのが、和菓子のささきでした。
気になって早速行ってみると、まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような店構えに胸が高鳴りました。
ここは家族経営の和菓子屋さんで、お父さんが早朝に和菓子を作り娘さんたちが店頭に立って店番をしているのですが、娘さんたちの接客がとっても素敵で。
いつ訪れてもニコニコ感じよく、和菓子について何を聞いても親切に詳しく教えてくださいます。何よりお父様が作った和菓子が本当に大好きだという気持ちが伝わって、行くたびに心がほっこりします。
もちろんどの和菓子も絶品です。
名物のみたらし団子(70円)
ささきの和菓子の中でもおすすめなのがみたらし団子。私の知る限り、ささきに訪れる人のほとんどがこのみたらし団子を買っています。
モッチモチのお団子の食感、お砂糖の甘さとお醤油のコクとしょっぱさのバランスが絶妙で油断したら無限に食べてしまいそうになります。
ささきはとにかく安くて、70円〜150円の和菓子がほとんど、210円出せばこぶしサイズの大きなぼたもちを買うことができます。こんなに美味しい和菓子をこの値段で買うのが申し訳なく感じるほどです。
ささきの和菓子は甘みの質が良く、いくらでも食べれてしまうのでいつもより少し多めに買ってもきっとペロリといけちゃいますよ。
京王線つつじヶ丘駅北口方面にある、風情を感じる小さな商店街、富士見街。全長40メートルほどで、特に昼間は静かでのんびりとした通りですが、通るたびに笑い声が聞こえ人が集まっているお店があります。地元の人たちに50年間愛され続ける和[…]
知る人ぞ知る名店!本気のタイ料理屋クルアタイ
タイ人女性のナッタポンさんが一人で切り盛りして今年で11年目になるタイ料理屋クルアタイは、わざわざ遠くから電車で訪れる人も多い、知る人ぞ知る絶品タイ料理の隠れた名店です。
人気の秘密は、安さと味です。
ナッタポンさんは「タイ料理を好きだと言ってくれるお客さんに美味しいタイ料理を安く食べさせたい」という気持ちから、コストを削減するため誰も雇わず、早朝から真夜中までたった一人で働いています。
美味しい料理のために食材は妥協できないので人件費を削るしかなく、ナッタポンさんは一日中働いて、合間に少しだけ仮眠をとるという生活を11年も続けています。
日本にあるタイ料理屋さんの多くは「日本人の舌に寄せたタイ料理の味」を提供していますが、クルアタイのタイ料理は、正真正銘タイの家庭で出されるタイ料理なので結構パンチが効いています。
なので好みが分かれますが、好きな人にはたまらない!中毒性があるので一度ハマったらもう通わずにはいられません。
本気のタイ料理が食べたい方はぜひ!
日本で食べられるタイ料理は大きく分けて「日本人の口に合わせて作ったタイ料理」と「本場タイの味を忠実に再現したタイ料理」のふたつがある。日本人には慣れない味という事もあり、割合は前者が圧倒的に多い。ちなみに私が好きなのは後者の本場の味[…]
実は全国にファンをもつ超人気店【Pao Coffee】
つつじヶ丘駅から3分ほど歩いた住宅街にこじんまりと佇む焙煎コーヒー豆専門店PaoCoffee。1985年に創業して以来ずっとつつじヶ丘に店舗を構えています。
家族で営まれているPaoCoffeeのコーヒー豆はとても上質。初めて飲んだ時には、一切の雑味を感じないバランスの良い味と、芳醇な香りに感動し、無意識のうちに両目を閉じてその味わいを堪能したほどでした。
にも関わらず値段は相場の半額近く。200g434円〜で美味しいコーヒー豆を購入することができます。
安さの秘密は、家族経営であることと、創業当時からの想い。
「美味しい豆をできるだけ安く提供する」という創業当時の社長のポリシーを守っているそうです。
PaoCoffeはただの街にコーヒー豆屋さんではありません。日々、その小さな店構えからは想像できないほどの注文が入っています。
なんと多い時は1日の注文件数が200件以上、1日で100kg以上の豆を焙煎することもあるそうです。
せっかくつつじヶ丘を訪れるなら全国のコーヒー好きを唸らせるPaoCoffeeのコーヒー豆を買って帰って、おうちで堪能してはいかがでしょうか?
京王線つつじヶ丘駅から徒歩3分の住宅街にこじんまりと佇む焙煎珈琲豆専門店【PaoCoffee】からはいつも珈琲の良い香りが漂います。あまりに珈琲の良い香りがするのでそのまま導かれるように入店したのが半年ほど前。自宅で淹れて飲んだ[…]
つつじヶ丘おススメまとめ
決して派手さや華やかさはないけれど、昔ながらの街並みや人付き合いが残る穏やかで優しい街つつじヶ丘。
つつじヶ丘で代々引き継がれているお店、つつじヶ丘に根を張ってこれから頑張っていこうとする新店、季節ごとに色を変える木々や色とりどりの花々……。住んでいる私ですら、毎日の散歩の中で、新しい発見や出会い、ときめきがあります。
都会の空気に疲れた方、自然もグルメも両方楽しみたい欲張りな方も、ぜひつつじヶ丘にお越しください♪